Wood Block House

ウッドブロックハウス―敷地は、もともと山であった場所を造成し出来た住宅地である。大半の宅地が高く積まれたケンチ石の擁壁に囲われており、切通しのような迫力ある街路をつくっている。周りの建物が擁壁と切り離されて計画されている事に対して、この建物では街路空間を積極的に建物内部に取り込みたいと考えた。建物はアイストップとなる位置に建っており、少し日がかげれば外から大きな「石積みのような」擁壁がくっきりと見える。この内部擁壁はむくりのついた舟形の「木質ブロック」を積んでつくられている。ケンチ石の壁がそうであったように、子供たちにとっては、よじ登ったり穴をくぐったり座ったり遠くの景色を見たりできる格好の遊び場である。そして同時に、ひとつの大きな空間を緩やかに分節しながら、木質ブロックを組む仕組みそのものが自然換気を促し太陽光を柔らかな光に変換して部屋の隅々に届ける。

構造計画
接合部のディテールや網代壁を構成する全ての部材が、この壁のデザインを決定づける重要な要素となっている。まず耐震壁を外周部に集中して配置する事で、内部に耐震壁を配置する必要がなくなった。これにより内部の構造体は鉛直荷重だけを受け持つ事になる。網代壁は木質ブロックの組み合わせにより作られている。単位となるブロックは、435mm×1740mm×9mmの構造用合板を2枚利用して作った船形の木製ブロックであり、大人1人で持ち運ぶ事が出来る。簡単に数人で組み上げる事が出来るような接合部のディテールとなっている。舟形のブロックを90°ずつ回転させながらお互いにかみ合わせて組んでいく。4個のブロックが、お互いを拘束するように卍型をして組まれる事で、安定した構造壁が出来る。単位となるブロック自体には強度が無いが、それらを組んで出来た壁は、屋根や2階の鉛直荷重を支える構造体としての役割りを果たす事ができる。つまり、木製ブロック壁以外に余計な構造材を必要としない。

photo by Hitoshi Kawamoto

建物名称/ウッドブロックハウス
所在地/奈良県奈良市
主要用途/アトリエ+住宅
家族構成/夫婦+子供

設計−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
吉村理建築設計事務所
担当/吉村理  
構造 株式会社ホルツストラ
担当/稲山正弘

施工−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
株式会社 仲山工務店

構造・構法−−−−−−−−−−−−−−−−−
主体構造・構法 木造在来工法

規模−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
階数 地上2階 
敷地面積 265m2
建築面積 86m2
延床面積 148m2

外部仕上げ−−−−−−−−−−−−−−−−−
 屋根/ガルバニウム鋼板
 外壁/セメント板
 開口部/アルミサッシ

内部仕上げ−−−−−−−−−−−−−−−−−
 床/スギ
 壁/ラワンベニア・LVL
 天井/OSB・構造材現し